恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
ずっといっしょにいるわけだし、自分でちゃんと納得できる相手を選びたかった。


別に理想が高いワケじゃないつもり。ルックスや学歴や職業でより好みしてるワケじゃないつもりだし。

ただ……、

ただ、こう言ってくれさえすればいいんだ…、

「オレにはお前が必要だっ! 他のヤツなんて考えられねぇ! お前じゃなくちゃダメなんだっ!」

…って。


もしも……、

もしも、そんなこと言ってくれるヒトがいたら……そのときは、あたしのほうから…、

「あたしをあなたのお嫁さんにしてください」

…なんて言っちゃうのかもしれないな……。


でも……そんなこと、あたしのために言ってくれる男のヒトなんて、この世にいるはずないんだよね……。

分かってる。イヤっていうほど、よく分かってるよ……。


もう、ここらが潮時なんだろうと思う。


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