恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
“なんでこんなイケメンが今まで結婚できなかったんだろ? 今は猫かぶってるだけでホントは性格悪いとか?”

…などといろいろな妄想を膨らませていた。


ちなみに並んで歩きながらしたお話の内容はといえば、“お約束”ってゆーか、当たり障りのない趣味の話で、そのヒトの趣味は開業医のおぼっちゃまらしく、なんと高尚にもクラシック音楽の鑑賞だった。

対するあたしのほうは…、

「趣味はァ、カラオケ歌いまくることと、バーゲン品買いまくることと、スイーツ食べまくることでぇす」

…とは言わず…、

「最近流行りの曲のCDを聞いたり、アウトレットのお洋服を見たり、あと、お菓子を作ったりするのも好きですね」

…って、ちょっと脚色して答えた。


「ね、安達さん、アレに乗りませんか? アレに」

ガラにもなくウキウキしながらジェットコースターを指さしているあたしがいた。

お見合いは初体験じゃない。でも今回は今までみたいな“受け身モード”じゃなくて、自らプロデュースしたお見合いだ。つまり、前から1度でいいからしてみたいと思っていた憧れの“遊園地デート”の形をとったお見合いだった。
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