恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
そのせいで、そのときのあたしはまるで小っちゃい子どもがオモチャ屋さんに連れてこられたときみたいな昂揚感で胸がいっぱいに満たされていたんだと思う。
「え? 間宮さん、あーいうのって大丈夫なんですか?」
「ヘーキ、ヘーキ♪ 前に乗ったときも全然なんともなかったですから」
「そ、そうですか……」
明らかに心配そうな顔だった。
「あのぅ、安達さん、ひょっとして絶叫マシンとか苦手なヒトですか? だったら下で待っててください。あたし、ひとりで乗ってきますから」
「いえ、僕も乗ります。間宮さんのこと、心配ですし」
「じゃあ、いっしょに乗りましょう♪」
“ガタン、ガタン、ガタン、ガタン…”
ジェットコースターがだんだん高いところに昇っていくにつれて、ちょうどソレにシンクロするように…、
“ドクン、ドクン、ドクン、ドクン…”
…って、あたしの心臓の鼓動もどんどん激しくなっていく。