恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
あたしたちって、まわりのみんなにはどんな間柄に見えるんだろ?

恋人同士? それとも夫婦?


これまでもお見合いのときは、結婚相談所の近くにある公園をいっしょに歩いたり、並んでベンチに座ってなんか食べたりとかしてたんだけど、ホントは公園とか遊園地ってキライだった。

だって、公園とか遊園地にはカップルとか家族連れとか幸せそうなヒトたちでいっぱいだったから。

“幸せそうなヒトを見るとハラが立つ”

よくないことだと思いながら、でもそんなふうに思ってしまうあたしにとって公園や遊園地みたいな行楽スポットは、近づくべきではない“鬼門(きもん)”だった。


だけど今日はちがう。

今日はあたしも“幸せそうなヒト”たちのグループの一員になっていると思う。


昨夜、父がお見合いの話を持ってくるまでは、“どーせ今週もいつものように、何もしないまま終わってしまう一人っきりの週末なんだ”って思っていた。

まさかこんな日があたしに訪れるなんて夢にも思わなかった。

ホント世の中って、1秒先にはなにが起こるか分からない、って思う。
< 79 / 227 >

この作品をシェア

pagetop