恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
今日はじめて会ったばかりなのに、彼のやさしそうな雰囲気に触れて、ついキモチが緩んでしまったんだと思う。
それで言わなくてもいいことまで口走ってしまったんだと思う、たぶん……。
「いえ、別にかまいませんよ。間宮さんがどんなことについて悩んでいるのか、僕も知っておきたかったですから」
彼はそう言って爽やかに微笑んだ。
「…でも、やりがいのある仕事をするためにはやっぱり、まずは自分じゃなきゃ出来ないっていうプロフェッショナルとしての技と魂が無きゃダメですよね」
「プロフェッショナルとしての技と魂……ですか?」
「“坊主丸儲け”じゃないですけど、よく“お医者さんの治療費はぼったくりだ”みたいなこと言ってるヒトとかいますけど、あたし、そーいうヒトたちにこう言ってやりたいんですよね、“なら、あなた、同じお金をもらったら病気を治してくれるんですか?”って」
「フッ。間宮さんって、僕が想像してたのと全然ちがう女性なんですね」
“想像してたのと全然ちがう!?”
そう言われてあたしはショックだった。