恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「そ、それはよかったですね…」
と答えた。ちょっと作り笑顔だったけど。
…と、まぁ、こんな調子でタイムリミットまで残り3ヶ月のお見合いはつつがなく終わったのデシタ――――
彼と別れて急いで家に帰ったあたしはすぐさま、今回、安達さんを紹介してくれた江波園子(エナミ・ソノコ)さんという看護師さんに電話を入れて、あらためてお礼の気持ちを伝えた。
だけど、あたしより先に彼のほうがもう電話をしていたみたい。
ヤラレタ…。
あたしのほうが先に言いたかったのに……。
「あたし、安達さんとしばらく付き合ってみたいです」
「おめでとう。彼もあなたとお付き合いしたいそうよ」
「ホ、ホントですかっ!?」
「えぇ、もちろん、本当よ。それに彼のほうがあなたより先に、わたしに電話をしてきたんだから、この縁談には相当乗り気だと思っていいんじゃないかしら」
「そっか……そうですよね♪」