恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
それに“間宮 毬(マミヤ・マリ)”であるあたしのことを、“マリヤ・マミ”なんて呼ぶはずがない。東大卒のエリート課長が人の名前をまちがえるなんてゼッタイありえない。
じゃあ、今の声は…!?
でも、はじめて聞く声じゃない。
学生時代はほとんど毎日のように、イヤっていうくらいに聞いていた声。
ゆっくりと振り返ると、そこにはスーツ姿の課長ではなく、濃いグリーンのジャージ姿で白に近い色の金髪の男のコが立っていた。
「剛…」
ソイツの名前は“桐矢 剛”。明東大学サッカー部の20歳。そして18年間のあたしの人生の中で、あたしのことを“マリヤ・マミ”と呼ぶ、ただ一人の人間。
だけど、そのときのあたしは、オフィスという場所においては、かなり不似合いなジャージ姿に金髪の男のコに対して、少しの違和感も感じていなかった。
「あのなぁ、俺は毎日毎日コピーとりやお茶汲みをやらせるために、お前を助けたわけじゃねぇんだぜ。お前さぁ、そんな毎日でホント楽しい?」
呆れ顔のアイツが言う。
「楽しくなくてもやらなきゃいけない、それが仕事っていうものよ。ま、学生の剛には分かんないでしょうけど」
じゃあ、今の声は…!?
でも、はじめて聞く声じゃない。
学生時代はほとんど毎日のように、イヤっていうくらいに聞いていた声。
ゆっくりと振り返ると、そこにはスーツ姿の課長ではなく、濃いグリーンのジャージ姿で白に近い色の金髪の男のコが立っていた。
「剛…」
ソイツの名前は“桐矢 剛”。明東大学サッカー部の20歳。そして18年間のあたしの人生の中で、あたしのことを“マリヤ・マミ”と呼ぶ、ただ一人の人間。
だけど、そのときのあたしは、オフィスという場所においては、かなり不似合いなジャージ姿に金髪の男のコに対して、少しの違和感も感じていなかった。
「あのなぁ、俺は毎日毎日コピーとりやお茶汲みをやらせるために、お前を助けたわけじゃねぇんだぜ。お前さぁ、そんな毎日でホント楽しい?」
呆れ顔のアイツが言う。
「楽しくなくてもやらなきゃいけない、それが仕事っていうものよ。ま、学生の剛には分かんないでしょうけど」