齢二十五〜25歳、女子の日常〜
声を荒げたりしている訳ではないけど

その声からは怒りの感情が垣間見えた。


「黙って外泊なんてご両親が心配するよ。どうして連絡しなかったの?」

「…ごめんなさい。」



「…さっきからそればっかりだよ。」



「ごめんなさい…。」



ふぅ、とため息をついて天を仰いだ。


その時、私は海斗さんの目が潤んでいることに気づいてしまった。



一呼吸おいて、今度は優しく語りかける。


「でも、泊まらせてしまったのは僕に責任があるね。」


それを聞いた真理子は、ふるふると首を横に振った。


「今から、謝りに行こう。とても心配されてるって愛さんも言ってたでしょ?」



「…イヤ。」



「え?」



「…嫌っ!!」
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