齢二十五〜25歳、女子の日常〜
その時、きゅっと海斗さんが真理子を静かに抱きしめた。

「ありがとう真理ちゃん。そんなにまで考えてくれてたんだね。」

「海斗くん…。」

「でも、僕は真理ちゃんがご両親の事を本当に大事にしてること、知ってるよ。だから僕も悲しませたくないんだ。」


それから、ゆっくりと体を離し、今度は目を見て話す。

「僕は許していただけるまで何回でも、何年でもお願いに行くよ。だって…。」





「だって、真理ちゃんを幸せな花嫁さんにしてあげなくちゃいけないもんね。」



「海斗くん…!」





真理子は、ほんとに素敵な人に巡り会ったなぁ…。

泣きながら抱き合う二人を見て、心からそう思った。
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