齢二十五〜25歳、女子の日常〜

愛のかたち

その日、真理子はうちに泊まることになった。


なんでも、気持ちが落ち着かないらしい。




「…と言うわけで、真理子元気だから、安心してね。」


―わかったわ。愛ちゃん、ありがとう。迷惑かけてごめんね。―


電話から聞こえるおばさんの声から、安堵の色がみえる。

今は、海斗さんの車(仕事用らしく、まるめがねのステッカーが貼ってある)で、うちまで送ってもらってる途中。

車内には私の話し声しかない。

しーんとしている。


「迷惑なんかじゃないよ。私にできることはこれ位しかないもん。」

―ありがとうね…。真理子と話せるかな?―


「ちょっと待ってね。」

助手席の真理子を見た。

受話器からの声がもれてたんだろう。

私の方を向いて、静かに首を横に振った。



むぅ…。


小さなため息で一呼吸おいてから、電話に耳をあてた


「まだ…今は話したくないって…。」
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