齢二十五〜25歳、女子の日常〜
真理子が急に喋ったから、うまく聞き取れなかった。



「…なに?」



ふぅ、と一呼吸おいて、再び話しはじめる。


「帰った方がいんだよね。わかってる。わかってるの。」


「………。」



「でも…なんか…気まずくて…。」



それも分かるよ。


私だって、自分だったら帰りたくないもん。



「でも、それじゃ…、逃げてばっかじゃダメなんだよね。

海斗くんとのことも、親とのことも。」


「うん。」



「私、幸せになりたいもん。」


「うん。」



「海斗くんと一緒になりたいもん。」


「うん。」


「逃げてちゃ、ダメなの。」


「うん。」



真理子は、まるで自分に言い聞かせるように話し続けた。


私はただ、うなずくしかできなかったけど。



真理子が望んでるのは、同意してくれる事だと思ったから。



ただただ、うなずいた。
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