sky
…いつもと…変わらない?


確かにいつもは、何も変わらないはずの屋上が




今日は変わっていた。





屋上のフェンスに寄りかかり、眩しそうに空を見上げている…


誰だろう?




私は、少し躊躇いながらも、その人に近づいて行った。





「あの……」


控えめに声をかける。


少し驚いたようにこっちに向けられた顔は、見たことのない顔だった。


「「どうしてここに…?」」


二人の声が、重なった。


「…俺は、転入してきたばかりで、ちょっと迷って、ひたすら階段上がってたら、屋上に着いた…」


なるほど、だから見たことのない顔だったのか。


「……あんたは?」


初対面であんた呼ばわりされるなんて、思ってもみなかった。


「私はただ、空を……」


言い終わらないうちに、転入生は口を開いた。


「空、好きなの?」


突然の質問の、答えに迷う自分がいた。


だけど気持ちに、迷いはない。
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