君の好きな人
プロローグ
「あたしにしとけば?」
何て言った私に
「バカ言うなよ」
そう言って
君は笑ったね
叶わないってこと
知ってたのに
無理だってこと
わかってたのに
それでも私を
見てほしかったから
少しでも私を
意識してほしかったから
いつだって君は
あの子を見てた
あたしじゃなくて
あの子を見てた
ねぇ…
どうしてあたしじゃ
ダメなの?
あたしとあの子
どこが違うの?
こんなにこんなに
君が好きなのに