君の好きな人

第１章 出会い

『♪♪〜』




携帯の目覚ましで
目が覚めた私。




｢ん〜｣



眠い目を擦りながら
画面を見ればもう７時過ぎ。


｢やっばー！！｣






私はバタバタと階段を下り
急いで準備をした。




｢朝ご飯いらないから！｣


そう言って私は
テーブルに置かれた弁当を
かばんに詰め込んだ。




｢ちょっと！絵美？！｣

『バタン』




お母さんに呼びかけを
無視するかのように
私は自転車に跨がり
学校へと向かった。


学校までの道のりは
自転車で約４０分。





｢急がないと！｣



私はチラチラ携帯で
時間を確認しながら
自転車をこいだ。


学校が始まる時間は
８時２０分。

急がなくても
余裕で間に合う時間帯だ。



でも私には
急がなくてはならない
理由があった…





｢あぁーもお！
本当にやだこの坂！！｣


学校まであと少し

でも
この坂を上らなければ
学校には着かない。




さすがにこいで上れる
角度ではないため
自転車を押しながら
毎朝登校する。



私はやっとの思いで
坂を上りきった。

その足で急いで
自転車置場へ行き
自転車を停めた。




｢間に合った〜☆｣


ホッとした私は
カゴからかばんを取り
教室へと向かった。














私の名前は【高野 絵美】二ヶ月前にやっと
高校生なったばかり。


さほど勉強もせず
ただなんとなく
この学校を選んだ。



でも今思えば
ここを選んで良かったと
心からそう思える。


だって…
君に出会えたから。