君の好きな人



『ガラガラ』

教室に着いた私は
ドアをゆっくり開けた。


いつもの通り
教室には誰も居ない。


「ふぅ〜」


一度回りを見渡し
自分の席に着いた。


時計を見れば
まだ7時50分。

誰も居ないのは
当たり前だ。


私は携帯をあたりながら
あいつが来るのを待った。



「まだかな…」


その時だった。




『ガラガラ』


教室のドアが
勢いよく開いた。




「お前、早えーよ!!」


私は声のする方を向き
満面の笑みで答えた。


「今日も1番♪」


「やられたー!今日は俺の方が先だと思ったのに。」



そう言って席に着いたのは
同じクラスの『矢崎 悠』
笑った時に見える八重歯が
印象的な、私の好きな人。
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