幻妖奇譚
∽3人の娘∽
つい先程聞いた、“48時間以内に話さなければならない”というヨシエの言葉に固まったままのアケミとチエ。
(ちょっと怖がらせ過ぎちゃったかな……)
悪ふざけが過ぎた、と少々申し訳なさ気のヨシエ。
「……噂よね?」
重苦しい沈黙をアケミが破る。
「都市伝説みたいなもんだよね……? ほら『チェーンメール』って流行ったじゃない? あれと一緒でしょ……?」
わざと明るく振る舞うアケミ。
こんなに必死なアケミを見るのは初めてかもしれない、とヨシエは思っていた。
「そ、そうだよね~! だって先輩も噂だって言ってたし!」
自分がついた嘘にいたたまれなくなり、アケミに同調するヨシエ。
「ね? ほらチエ! ただの噂だって! あれ? チエ~?」
反応のないチエの顔を覗き込み、チエの目の前で手を振るアケミ。
「やだ……チエ、失神しちゃってる」
俯き、目を開けたまま気絶したチエ。
「……どうする?」
「どうする……って。このままほっとくワケにいかないじゃん!!」
アケミの問いに答えるヨシエは、カバンからハンカチを取り出す。
「と、とりあえずハンカチ濡らして来る!」
言うが早いか、バタバタと廊下を走って行くヨシエ。
後に残されたアケミは、チエが椅子から落ちない様にただ見守るしかなかった。
(ちょっと怖がらせ過ぎちゃったかな……)
悪ふざけが過ぎた、と少々申し訳なさ気のヨシエ。
「……噂よね?」
重苦しい沈黙をアケミが破る。
「都市伝説みたいなもんだよね……? ほら『チェーンメール』って流行ったじゃない? あれと一緒でしょ……?」
わざと明るく振る舞うアケミ。
こんなに必死なアケミを見るのは初めてかもしれない、とヨシエは思っていた。
「そ、そうだよね~! だって先輩も噂だって言ってたし!」
自分がついた嘘にいたたまれなくなり、アケミに同調するヨシエ。
「ね? ほらチエ! ただの噂だって! あれ? チエ~?」
反応のないチエの顔を覗き込み、チエの目の前で手を振るアケミ。
「やだ……チエ、失神しちゃってる」
俯き、目を開けたまま気絶したチエ。
「……どうする?」
「どうする……って。このままほっとくワケにいかないじゃん!!」
アケミの問いに答えるヨシエは、カバンからハンカチを取り出す。
「と、とりあえずハンカチ濡らして来る!」
言うが早いか、バタバタと廊下を走って行くヨシエ。
後に残されたアケミは、チエが椅子から落ちない様にただ見守るしかなかった。