幻妖奇譚
時間がわからない。
一体、どれ程の時間が経ったのだろう?
ずっと研究室にいるのは苦ではないが、身動きが一切出来ないのは辛いものがある。
この頃いつも夢を見る。あの踏切の夢を。
それも決まって夕方、必死に薔薇を探す夢だ――やっと見つけても、手にした薔薇が突然かき消えるのだ。それを何度も繰り返す。
そういえば、あの男はやはり死んだらしい。研究室の前を通る学生が話していたのを聞いた。
くっ、くくく……。神様は僕に味方をした!やはり僕こそが彼女を守るべき男なのだ!!
使命感に燃えていた時だった。
……なんだ?急に視界が歪み出したぞ?
また、後ろから強い力で引っ張られる。
なんだ?今度は何処だ?
学校?何処のだ?吸い寄せられる……。ひとつの教室に女子高生だろうか3人いる。
何を話してるのだろう?まぁ基本、女子高生の会話に興味はないが、神妙な面持ちで話している姿が気になった。
「その男の人、散らばった花をずっと探し続けてるらしいんだけど……」
花を探し続けてる?まさか、僕の話をしているのか?
何故、僕の話を見も知らない女子高生がしているんだ?
「つまりは殺されちゃうのよ」
――?何を言ってるんだ?この小娘は?
一体、どれ程の時間が経ったのだろう?
ずっと研究室にいるのは苦ではないが、身動きが一切出来ないのは辛いものがある。
この頃いつも夢を見る。あの踏切の夢を。
それも決まって夕方、必死に薔薇を探す夢だ――やっと見つけても、手にした薔薇が突然かき消えるのだ。それを何度も繰り返す。
そういえば、あの男はやはり死んだらしい。研究室の前を通る学生が話していたのを聞いた。
くっ、くくく……。神様は僕に味方をした!やはり僕こそが彼女を守るべき男なのだ!!
使命感に燃えていた時だった。
……なんだ?急に視界が歪み出したぞ?
また、後ろから強い力で引っ張られる。
なんだ?今度は何処だ?
学校?何処のだ?吸い寄せられる……。ひとつの教室に女子高生だろうか3人いる。
何を話してるのだろう?まぁ基本、女子高生の会話に興味はないが、神妙な面持ちで話している姿が気になった。
「その男の人、散らばった花をずっと探し続けてるらしいんだけど……」
花を探し続けてる?まさか、僕の話をしているのか?
何故、僕の話を見も知らない女子高生がしているんだ?
「つまりは殺されちゃうのよ」
――?何を言ってるんだ?この小娘は?