幻妖奇譚
さっきの事を思いだし、ドキン、と鼓動が跳ね上がる。
なんだろう?あたしの席の左斜め、ふたつ前の席の光江を見る。
紙を受け取ったあたしに小さく手を振り、紙を見て、と素振りを見せる光江。
嫌な予感を抱きつつ、先生に見つからないように、紙を広げる。
紙に書いていた内容――。
“あんた、本当にパパとママの子供?”
「――ッ!!」
反射的にグシャ、と紙を握りつぶす。
視線を感じ、顔を上げると光江が声を殺して笑っている――!!
……あたしはその日、初めて早退をした。
あまりに顔色の悪いあたしに先生が気付いたから。
校門を出た所で、涙が込み上げて来た。
違う……違う違う違う!!
ママは不倫なんかしてない!!ママがあたしとパパを裏切るわけないッ!!
あたしは……
あたしはパパとママの子供よ――!!
裏切られた……。信じてたのに。“友達”だ、って。
なのに……酷いよ……酷いよぉ……――
なんだろう?あたしの席の左斜め、ふたつ前の席の光江を見る。
紙を受け取ったあたしに小さく手を振り、紙を見て、と素振りを見せる光江。
嫌な予感を抱きつつ、先生に見つからないように、紙を広げる。
紙に書いていた内容――。
“あんた、本当にパパとママの子供?”
「――ッ!!」
反射的にグシャ、と紙を握りつぶす。
視線を感じ、顔を上げると光江が声を殺して笑っている――!!
……あたしはその日、初めて早退をした。
あまりに顔色の悪いあたしに先生が気付いたから。
校門を出た所で、涙が込み上げて来た。
違う……違う違う違う!!
ママは不倫なんかしてない!!ママがあたしとパパを裏切るわけないッ!!
あたしは……
あたしはパパとママの子供よ――!!
裏切られた……。信じてたのに。“友達”だ、って。
なのに……酷いよ……酷いよぉ……――