幻妖奇譚
サキが鏡に映ったケーキに手を翳(かざ)した。
「サキ? 何してるの?」
「見てればわかるわ」
みちるが雑誌を読みながら、ケーキをパクパクと口に運んでいく。
「ぃたっ!!」
みちるの口の端から血が出てる。
「なにコレ……ガラス? なんでケーキに……ッ!!」
瞬間、みちるの体が後ろにのけ反る形になった!!
「や、やだ! 誰!? 離してよ!!」
あたしには、みちるが一人でもがいている様に見えた。手足を懸命にバタつかせながら。
「ひ……っ!」
ケーキが宙に浮く。
ふと鏡の中を見るとサキが鏡の中のみちるの髪を掴み、反対の手でケーキを持っていた。
「やめ……て……お願い……ぃや……」
ケーキがだんだんみちるの口に近付く。
「サ、サキ……?」
「沙希。こっち見ちゃダメ」
言われ、鏡の向こうに目を向けると、みちるの口に無理やりケーキがじわじわと押し込まれている。
口いっぱいに放り込まれたケーキは、バリ、バリと音を立てて、みちるの口元をみるみる血に染めていった。
「ケーキだけじゃ喉が渇くでしょ? ジュースも一緒に……」
そう言うとサキは、ストローのついたジュースに手を翳し……
「どうかしらッ!?」
ストローもろともガラスに代わったジュースをグラスごと、みちるの喉に押し込んだ……!!
「サキ? 何してるの?」
「見てればわかるわ」
みちるが雑誌を読みながら、ケーキをパクパクと口に運んでいく。
「ぃたっ!!」
みちるの口の端から血が出てる。
「なにコレ……ガラス? なんでケーキに……ッ!!」
瞬間、みちるの体が後ろにのけ反る形になった!!
「や、やだ! 誰!? 離してよ!!」
あたしには、みちるが一人でもがいている様に見えた。手足を懸命にバタつかせながら。
「ひ……っ!」
ケーキが宙に浮く。
ふと鏡の中を見るとサキが鏡の中のみちるの髪を掴み、反対の手でケーキを持っていた。
「やめ……て……お願い……ぃや……」
ケーキがだんだんみちるの口に近付く。
「サ、サキ……?」
「沙希。こっち見ちゃダメ」
言われ、鏡の向こうに目を向けると、みちるの口に無理やりケーキがじわじわと押し込まれている。
口いっぱいに放り込まれたケーキは、バリ、バリと音を立てて、みちるの口元をみるみる血に染めていった。
「ケーキだけじゃ喉が渇くでしょ? ジュースも一緒に……」
そう言うとサキは、ストローのついたジュースに手を翳し……
「どうかしらッ!?」
ストローもろともガラスに代わったジュースをグラスごと、みちるの喉に押し込んだ……!!