幻妖奇譚
カコーンッ
「やったぁ!」
次々とパックを相手ゴールへ落として行く光江。
さっきまでの不機嫌顔と違い、かなり得意満面になっている。
調子良くもてはやされる光江に苛つく。
「沙希、お楽しみはこれからよ」
そうあたしに告げると、光江たちの遊んでいるホッケーのパックに手を翳すサキ。
そのパックを光江が打ち返す。
パリーンッ!!
「うわあぁぁ!?」
光江が弾いたパックが勢い良く砕け散り、相手の男の子やその周辺にいるギャラリーを傷つけた――!!
「痛ェッ!? っだよコレ!!」
「あ、あたし……何もしてないよ!?」
「光江のせいじゃねーけど……光江だけ無傷なんだな……」
ホッケーの周りにいた男の子達はみんなどこかしら飛び散った破片で切り傷を負っている――光江を除いて。
「……俺、帰るわ」
「俺も! なんか気味ワリィ……」
「ちょ……ちょっとォ!!」
一人取り残された光江は腕時計に目をやっている。
「まだ19時過ぎ……今帰ったら塾サボったのが親にバレるじゃん……」
光江はカバンを手に取ると、ゲームセンターを出た。
「やったぁ!」
次々とパックを相手ゴールへ落として行く光江。
さっきまでの不機嫌顔と違い、かなり得意満面になっている。
調子良くもてはやされる光江に苛つく。
「沙希、お楽しみはこれからよ」
そうあたしに告げると、光江たちの遊んでいるホッケーのパックに手を翳すサキ。
そのパックを光江が打ち返す。
パリーンッ!!
「うわあぁぁ!?」
光江が弾いたパックが勢い良く砕け散り、相手の男の子やその周辺にいるギャラリーを傷つけた――!!
「痛ェッ!? っだよコレ!!」
「あ、あたし……何もしてないよ!?」
「光江のせいじゃねーけど……光江だけ無傷なんだな……」
ホッケーの周りにいた男の子達はみんなどこかしら飛び散った破片で切り傷を負っている――光江を除いて。
「……俺、帰るわ」
「俺も! なんか気味ワリィ……」
「ちょ……ちょっとォ!!」
一人取り残された光江は腕時計に目をやっている。
「まだ19時過ぎ……今帰ったら塾サボったのが親にバレるじゃん……」
光江はカバンを手に取ると、ゲームセンターを出た。