【企】ブラインド ユー
prisoner
外へ出ると、薄着のあたしに容赦なく冷たい風が吹きつけた。
「さみぃー!!」
雅也君も厚着したのに関わらず、かなり震えている。
「将ちゃん…
あたしのこと、呆れちゃったかな…?」
ポツンと呟くと、雅也君はクスッと笑って、
「大丈夫だよ」
と言ってくれた。
将ちゃんに会ったら緊張して何も言えないんじゃ…
そんな不安が頭の中を埋め尽くしていた。
「………あ」
突然、雅也君が小さく声を漏らした。
「何?」
あたしが尋ねるも、雅也君は前方を見つめたままだ。
雅也君の視線を追う…
「…………っ」
体が、急に強張ったのが分かった。
だって、あたし達の前に佇んでいたのは…
「…将ちゃん…」
ビックリしずぎて、何を言えばいいのか分からない。
頭が一気にぐるぐると回り始めた。
将ちゃんは、黒いコートを着て、ブランド物のマフラーに顔をうずめていた。
あたし達の方を冷たい目で見てくる。
茶色の髪に、耳につけた複数のピアスが揺れている。
「……何してた」