【企】ブラインド ユー
やがて、狭い路地裏に連れ込まれると、
「どういうつもりだよ」
将ちゃんが立ち止まってあたしを睨みつけてきた。
「っ」
怖くて固まるあたし。
「……雅也に…何かされてない?」
急に将ちゃんは弱々しい声になり……
「っ、ひゃっ」
あたしを抱き締めた。
「将…ちゃん?」
驚きすぎて言葉がうまく出てこない。
「沙良………」
かすれた低く、甘い声があたしの耳元で響く。
すると、あたしの心臓がドキドキと脈打つんだ。
「何もされてない?
手…出されてない?」
将ちゃんが言う。
「そ、そんな!!
全っ然!!」
あたしが慌てて否定すると、将ちゃんは溜め息をついた。
「…ったく…あのお節介雅也め……」
将ちゃんのポツンと呟いた言葉の意味が分からず、首を傾げていると…