【企】ブラインド ユー
「へ…?」
ふと反射的に
黒い空を見上げた。
「……これ…」
将ちゃんが手に落ちた雫を見つめて呟いた。
『…雪?』
2人の声が揃ったかと思うと、更に雪は舞い落ちた。
「初雪だ…」
白く輝く
雪を見て呟いた
寒いのに、
何故か心は暖かい。
自然と将ちゃんと絡まった指先も。
「綺麗だな…」
黒い空から降る雪は
キラキラと輝き
こんな綺麗な景色が
こんな身近で
見られるなんて…
……2人でしばし、雪を見つめていた。
綺麗に舞う雪は
まだ誰にも触れられていない。
「………沙良」
突然、将ちゃんが
あたしを呼んだ。
「ん?」
雪を見つめながら
答える。