【企】ブラインド ユー
帰り道。
降り積もった雪を
踏みしめて歩く。
皆と別れ、
2人きりになって
肩を並べ歩く。
「寒いね」
「………おう」
ギターを背負った、
君の隣を。
「有難う」
「…………おう」
「何それっ」
可笑しくて笑うと
差し伸べられた
大きな手。
「お前、
ちっちぇんだから」
そんなの理由になってないよ、と内心笑いながら
その手に
自身の手を絡ませる。
「あったかい」
「…冷てぇのな」
話すごとに
白い吐息が舞う
白い雪に
白い月
君を見つめて
笑うと
君は不機嫌そうに
唇を尖らす
けれど
そんな事も楽しい
そんな事も
愛おしい
温かい手の体温に
包まれながら
2人でゆっくりと
歩いていく
あの歌を
口ずさみながら