【企】ブラインド ユー
「あたしの事嫌いなら、一緒に居ないでよ!!
バカ!!」
あたしはそう言うと、
「沙良!!?」
将ちゃんの声を無視して走って将ちゃんの家を飛び出した。
素早く走り出す。
将ちゃんは、あたしを追ってこない。
追ってくるのを心のどこかで期待していた、けど…
もう、あたしの事なんかどうでもいいんだね。
「はぁっ…はぁ…」
しばらく走ったところで足を止めた。
「将ちゃんのバカっ…」
大っ嫌いなんて言ったけど、まだあたしは大好きなの。
けど将ちゃんはあたしと遊びで付き合ってたなら、もう終わりだ。
あたしは将ちゃんを諦めなきゃいけないんだね……
………辛いよ…
将ちゃんの楽しそうにギターを弾いている記憶。
将ちゃんが優しく笑っていた記憶。
だけどね。
将ちゃんがあたしに好きって言ってくれた記憶と、
キスしたり、抱き合ったりした記憶は無いんだよ…