【企】ブラインド ユー
「あの…雅也君は、今は彼女…」
「居ないよ?」
雅也君は笑った。
こんなに格好良い人なのに、勿体無いなぁ。
なんて余計か!!
「バンドやってる時に付き合った事、ある?」
あたしの問いに、雅也君は頷いた。
「その時…雅也君は彼女に何か文句…みたいなの言われた事ある?」
失礼かな?
「え…文句?」
「うん、例えば…
バンドばっかりやってて私との時間作ってくれない、とか…」
モジモジしながら言うと雅也君はプッと吹き出した。
「え!?」
ビックリして雅也君を見るあたし。
「あははは!!
分かった、沙良ちゃんが将と何があったか!!」
……うぅ。
「将、ギターばっかりやってるんだ?沙良ちゃんとの時間も作らずに?」
雅也君はニヤリと笑ってそう言った。
「……………」
気まずい気持ちになりながら、あたしは小さく頷いた。