【企】ブラインド ユー
「成る程なぁ。将、ギターバカだもんな?」
雅也君はニヤリと笑ってあたしを見た。
~~~っっ。
「俺は言われたこと無いな、そういう事。」
…………え…
「俺も作曲するからギターばっかりやってたけど、俺は言われなかったよ」
…そうなんだ……。
やっぱりあたしが子供なだけなのかな?
将ちゃんが楽しいと思って、一生懸命やっている事を…
後押しできない、ただの子供なのかな?
「…………っ」
また涙が…収まってきた涙が、また溢れ出てきた。
子供で、弱い。
こんなあたしだったら、将ちゃんに嫌われるに決まってる。
「沙良ちゃん」
雅也君は優しくあたしの頭を撫でた。
「あたしと居る時間作ってよ、って言われないのも寂しいもんよ?」
…………え……
あたしは静かに顔を上げて、雅也君を見つめた。
「矛盾してるけど…我が儘くらい言ってほしいな、って思いながらギター触ってたよ」
……………っ。