クリスマス恨み節


クリスマス商戦突入。


俺は、北野森。


ケーキ特売の準備のため、1時間早く出勤した。


オープン30分前に、他のサンタ、もとい社員もやってきた。


「おはようございます!」
「はい、おはようございます。二人とも挨拶してー」


一人はボーイッシュ。もう一人は、ハーフ顔。


「はじめまして高橋綾乃です。よろしくお願いします」
「はじめまして、リリー・ロックです。よろしく」
「リリー、こういうときは『よろしくお願いします』よ」


ハーフかと思ったら、海外の方でしたか。


三人は手早く今日の分のケーキを運び込み、釣り銭の用意を始めた。


デイリーヤマモト製菓のケーキは、最近流行りのホテルメイドのケーキと違い、大きくて安い。


そして美味い。


子供受けするキャラクターデコレーションのケーキもある。


予約ナシで当日買いに来る客のために、このスーパーでは、クリスマス周辺にはデイリーヤマモト製菓から社員を派遣してもらい、直接売るのである。
< 2 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop