クリスマス恨み節

「魔女っ子！？」
「変身ヒロインです。さ、行きますよ」
「え、リリーちゃん、どこに」
「ファミリー広場です。あたしはガキ狙い撃ち、北野森さんは、お母さん方を狙い撃ちしてくださいね。はい、チラシです」


風船とチラシと愛想を配り終わると、リリーちゃんと入れ替わって、アヤノさんがやってきた。


「よし、正面玄関でチラシ配るよ」
「あれ、さっきのと違いますねチラシ」
「さっきのはキャラクター商品用。こっちのは、特売。お客さんによってチラシもコピーで作るのさ。じゃあ、やろうか」


俺はアヤノさんと、正面玄関でチラシを激しく配った。


「チラシだけでいいんですか？」
「主婦層は、食材を買ってからケーキを買って帰る。チラシはあとから効くんだ」


なるほど。


「休憩、長谷川さんたちはいいんですか？」
「いま、リリーが子供相手にケーキを売ってるだろ。戻ればちょうどいいぐらいね」
「……長谷川さんって、彼氏いるんですか？」