プレゼント(Intron crack企画)
「今日がお誕生日なの?」

「うん」

「すいません、私がクリスマスになんか産んじゃって……クリスマスケーキじゃ嫌だなんてワガママ、毎年言うんですよ」

母親が誰に言うとでもなく呟やいた。

「そうなんですか……この時季ケーキなんてクリスマスケーキしか売ってないですもんねえ」

確かに数日前から、街のケーキ屋にはサンタとヒイラギの飾り付けの定番ケーキが溢れ帰る。

よほど前から予約でもしないと、一般的なケーキは手に入りにくい。

「お誕生日……」

消え入りそうな声で少女が呟く。






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