プレゼント(Intron crack企画)
「えっ? ああ……おいくらですか?」

「いりません」

「いりませんって……」

「自分はサンタですから。お誕生日おめでとう、バースデイケーキだよ」

少女の大きい瞳がまん丸に開いた。

「ママ! 聞いた? サンタさんやっぱり魔法使えるんだ! 美穂のお誕生日ケーキ作ってくれた!」

母親が少し困った表情で俺を睨み付けた。

「そういう嘘……困るんですけど」

母親の腕から飛び降りた少女に赤い箱を渡す。

少女は大事そうに両手でそれを抱え、満面の笑みを浮かべた。

「帰ってからこの子がどんなに傷付くか……」




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