魔法使い千羽羽
「俺は、ずっといたぜ。ただし、壁と同化してたけどな。透視もいいが、魔法使いなんだから魔法を使わないと上達しないぜ」

サンデーはあたしの机に座る。

「あたしだってわかってる。魔法の道具買うのにお金がいるから、今回はしかたなく超能力を使ったんじゃない」

あたしはニガムシを噛みしめた顔をする。

「あぁ、そうだな。ここもタダで借りてるしな。便利屋が上手くいったら、魔法学校に入った方が手っ取り早いぜ」

サンデーは前髪をかきあげて言った。

そう、お金があれば魔法学校に入れるのよね、あればね。

サンデーは黙ってればいい男だ。きっとモテるだろう。黒髪に青い眼から眼が離せなくなるはずだ。サンデーのことは後で詳しく話すわ。

あたしは写真を手に取り立ち上がった。

「あたし、出かけるから出て行って、ちゃんとドアからよ」

あたしはドアを指さす。

「わかったよ。またジャマしに来るぜ」

サンデーは長い足を見せびらかすように大股で出て行った。

「ふう」

あたしはため息をひとつする。そして、ドアを開けて外に出た。






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