+−CLASS ROOM×÷
「絵美子も話してみるといい……って、余計なお世話だな」


翔は困ったように笑った。



「私、長峰さんと話してみるよ!」


ショックだったけど、私はこう言った。


すると翔は『サンキュ』と言って私の頭に手を置いた。


「お前に話してよかった!」




翔はそういう人。

困っている人を放ってはおけない。


長峰さんのことも、私が中2の時と同じこと……


そう思いたかったけど何か違う気がした。


この翔と近すぎる距離が、私にそう思わせたのかもしれない。




距離が近くなると、色んなものが見えてくる。


いいことだけじゃなくて、悪いことも見えてしまうなら、

遠くにいたままの方が幸せだったのかな?



違う。

いいこともあったんだから、これでよかったんだ。



翔が私の背中を押してくれたように


今度は私が翔を応援するから。



< 100 / 104 >

この作品をシェア

pagetop