+−CLASS ROOM×÷
「あッ千花お疲れぇ。って潤もいんじゃん! お疲れクラス委員!」

「2人ともお疲れサマ」

「帰るか」


市村の言っていた『茗たち』とは、俺たちと同じクラスの桜田さん、恭二、識のことだった。


「お待たせ」


市村が3人の元へ歩いていく。


「よぉ!」


俺もその後に続いて教室に入り、アンケート用紙を置きに前の棚に向かった。



「3人いつも待ってんの?」


棚の扉を開けながら俺は聞いた。


「うん。千花頑張ってるんだし! それに1人じゃ危ないでしょ?」


答えたのは桜田さんだった。


「クラス代表なんて立派なもんになってくれて父さん嬉しい!」


俺が扉を閉めたのと同時に恭二が言った。


「誰が父さんよ」

「え? 俺」

「バカ」


……。


「じゃ、俺部活行くわ」


「おぉ頑張れよ潤!」

「「ばいばーい」」

「じゃあな」


「おう!」


挨拶を済ませると、俺は急いで教室を出た。

複雑な気持ちを抱えながら……。



本当は知っているんだ。


市村の視線の先に誰がいるのか。


2人が一緒にいるところを見ると思い知らされる。



でも、それでも俺は市村が好きなんだ。



* *


それから数日後の話だ。


俺が市村に「好きだ」と言ったのは。

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