+−CLASS ROOM×÷
「……まだ比呂さんのことが好き?」


ついに聞いてしまった。


「! なんでそれ……」


私の言葉で識が私の顔を見た。


「千花に聞いたんだ」

「あー……」


識はまた前を向いた。


私も識も黙っていた。



「俺は」


沈黙を破ったのは識だった。


「あいつを応援してやろうって決めた」


識は真っすぐ前を見たまま言った。


「そう決めた事、今は後悔してない」


その時の識の顔は真剣で、でもどこか優しくて

ドキッとした。



『後悔してない』


それは、千花が言ってた通り、吹っ切れてるって事なのかな?

そう思った。

そう解釈したかった。



また静かな時間が流れた。


「お前は、少しあいつに似てる」

「え?」


識の言葉で私は識を見上げた。


「変なやつだってとことか?」


そう言って識は軽く笑った。


笑顔の識とは対照的に私は複雑だった。

比呂さんと似てるって……。



「私……比呂さんの代わりは嫌だよ」


私は下を向いて言った。


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