+−CLASS ROOM×÷

幸せの落とし穴

好きな人の隣の席って

特等席だと思います。


* * * * * *
幸せの落とし穴

桜田茗
橘識
市村千花
* * * * * *


「ごめんねぇ」


謝りながら自分の机を識の机にくっつけた。


「他のクラスの奴から借りとけよ……」

「だって気付いたの授業始まる1分前だったんだもん!」

「走れ」

「無理!……ほらっ、先生来たから黙って!」



只今3時間目、現国の時間。

私は教科書を忘れてしまい、隣の席の識に見せてもらうことにした。


何だかんだ言いながらも、識は机と机のちょうど真ん中に教科書を置いてくれた。


「……見えるか?」

「え? あ、うん。ありがと」


突然の気遣いの言葉が嬉しかった。


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