+−CLASS ROOM×÷
「……――じゃあ、次の部分を……鈴木読んで」


教科書に目を落とす。


と、

識側のページなので、必要以上に識が視界に入り意識してしまう私がいた。



……近い。


……やっぱり近い!



ふと、顔を動かさずに目だけで識の顔をのぞいてみた。

識の目は教科書を追っていた。


初めて間近で見た授業中の顔へのドキドキと

目があったらどうしようっていうドキドキ。


でも、目が離せなくなりそうだった。


――……て!

私何してんの!


急に恥ずかしくなって、また教科書に視線を戻した。


この授業中、識の顔を見たのはそれ一度きりだった。


< 22 / 104 >

この作品をシェア

pagetop