+−CLASS ROOM×÷
「甘……」

「普通のクッキーより甘いね?」

「でも許せる範囲じゃね?」


……3人の反応は微妙だった。


結局無難にクッキーに決めた私。

識のリクエスト通り、甘さ控えめで作るはずだった。


よく少女漫画であるような砂糖と塩を間違えるなんていうベタな間違えはしなかったけど……


「ごめんー! なんかお砂糖がドバーッて入っちゃって……ね?」


って、これも結局ベタ?


自分もクッキーに手を伸ばす。

家でも味見はしたけど、やっぱり甘い。


「まぁそんなこともあるわな!」

「あるのか?」

「っ識! そうだよ茗。食べられない程甘すぎるわけじゃないんだし、普通に美味しいよ?」

「ありがと……」


千花の言う通り、食べられないわけではない。

でも、恭と千花のフォローが何だか切ない。



そして、私が開き直れない最大の理由。


千花と恭は何枚も食べてくれているのだが、識は最初の1枚しか口にしていない。


甘いのダメだもんね。


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