+−CLASS ROOM×÷
5限開始の予鈴が鳴って、千花と恭は自分の席に戻っていった。


失敗した時点で持ってくるの諦めれば良かった。

これはこれでウケるかも……なんて考えた自分が憎い。


そう後悔しながらお弁当箱を鞄に入れている時だった。



「……え?」


机の上のクッキーの袋から1枚を取出し口に運ぶ識。


甘いの無理して食べてくれ……


「甘……」


……はい?

私の期待は一瞬で崩された。



「同じこと何回も言わないで!」


そんなこと言うなら食べないでほしい……。


私が辛くなるんだから。



「また作ってくるんだろ?」


そんな私の気持ちを知ってか知らずか(……知らないか)、クッキーを食べ終えた識が聞いてきた。


「う、うん」

「今度はもっと旨いの作れよ」

「言われなくても作りますぅ」


フンッとそっぽを向いて見せた。


可愛くないな。

原因は私なのに。

でも嫌味っぽく言う識も悪い!


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