+−CLASS ROOM×÷
「はい! 出来た!」


順調にボタンをつけ終え、識にブレザーを返した。


1分は無理だったけれど、結構速くつけられた気がする。


1人、満足な私。


「……なんか曲がってる」

「えっ!?」


無表情で発せられた識の言葉に、私は勢いよく、識の元に戻ったブレザーを掴んだ。


「嘘」

「嘘ぉ!?」


ボタンが曲がっているというのは嘘だと分かり、ブレザーから手を離す。


眉間にシワを寄せた私に対し、識はふっと小さく笑って、ブレザーに腕を通し始めた。


識の手が第一ボタンにかかる。


自分がつけたというだけで、何でこんなにドキドキするんだろう。


ブレザーを着終えた識と目が合った。


「……見すぎ」

「み、見てない!」


私は目を反らすどころか、顔ごと背けてしまった。


その瞬間、また識が笑ったのが分かった。


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