+−CLASS ROOM×÷

欲しいものは何?

君の欲しいもの。

私に準備出来ますか?


* * * * * *
欲しいものは何?

桜田茗
橘識
* * * * * *


「sin30゜を使うから、ここのaが……2?」

「違う」

「えー!?」


私たちの学校には赤点というものがない。

教科によってはたまに実施されることもあるんだけど……


ついにこの時が来てしまいました。


1番苦手な数学の赤点!



「ここ、計算ミス」

「あ」


赤点を避けたい私は、放課後、識に数学を教わることになった。

と言っても、識にも識の勉強があるから今日限り。


識は『俺が赤点だったらお前のせいだ』なんて憎まれ口を叩きながらも、引き受けてくれた。


何だかんだ言っても、やっぱり識は優しい。



「ここは……2√3?」

「そう」

「何かコツが分かってきたよ!」


そう言ってパッと顏を上げると、識が少しだけ微笑んだ。


思わぬ笑顔にときめいてしまった私に、識は言った。



「出来て当たり前」

「なっ……」


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