+−CLASS ROOM×÷
「比呂の事は言ってもよかったんじゃん?」

「え?」


恭の顔は真剣だった。

でもどこか優しかった。


「きっと茗だっていつかは知りたくなる事だよ。好きなやつの事って1つでも多く知りたくなるもんじゃねぇ?」

「ん」


私は頷いた。


「確かに多少のショックはあったかもしれないけど、知れてよかったって思ってる面もきっとある。茗その話聞いてなんか言ってた?」

「『ありがとう』って」

「な? 本人もそう言ってんだし、そんなに深く考えんなよ!」


――『ありがとう』って義理で言ったのかもしれないじゃん。

そう思ったけど、私にとって恭の言葉はいつも正しい気がした。



気付いたら私は黙って頷いていた。




中2の時。私は識が好きだったから、識と比呂の事で苦しい時もあった。


そんな時いつも傍にいてくれたのは恭だった。


その時は自分のことでいっぱいいっぱいで分かんなかったけど、

恭がいてくれたから識と比呂のこと受け入れられるようになったんだと思う。



気付いたんだ。


ずっと隣にいたのは


あなたでした。


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