+−CLASS ROOM×÷
「……花、千花?」


ぼーっと考えているとすぐ横に人の影。


「あっ、ごめん、ぼーっとしてた」

「今日、クラス代表集まりあるんだって?」

「え? あるけど……」


いきなり本題に入った恭。

しかも、笹本君も関わるクラス代表の話だったから、何だか気まずい。


――恭は何とも思っていないことかもしれないのに……。



「なんか潤、家の用事で出れないから俺に代わりに出てくれないかって」

「え?」


笹本君用事あるんだったら私1人でいいのに……。


私は、それとなく断ろうとした。

なのに……



「俺出て平気?」


先に聞かれちゃったら、「うん」としか言えないじゃない。


それに……そんな真っすぐ見られたら断れないよ。



「うん! よろしく」


複雑な気持ちのままそう答えると、恭は自分の顔の横にピースを作った。


「じゃあ、識と茗に先帰れって言っとくな」

「あ、うん」


2人先帰っちゃうの?

帰りは恭と2人?


この間から恭と2人になると胸が少し苦しくなる。

普通にしているつもりだけど。


今、普通に振る舞えてた?

不自然じゃなかった?



ふと窓の外を見ると

空は黒い雲に覆われていて、今にも雨が降りだしそうだった。


……なんか私と一緒。




――ねぇ恭。

いつもだったら悩んでいる私を前に向かせてくれるのに、この前は違ったね。


どうして?

もうアドバイスはくれないの?


『それは千花の問題……だな』

そう言った時の恭のどこか冷たかった目が、今も私の目に焼き付いている。



いくら考えても結論なんて出るはずもなく……


放課後はあっという間にやってきた。


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