+−CLASS ROOM×÷
教室に着いて、背面黒板にプリントを貼ろうとしたら磁石が足りなくて、私は前に取りに行った。
「サンキュ」
片手にプリント、もう片方を私の方に差し出している恭にそれを手渡そうとすると、
「っ!」
手首を掴まれた。
磁石が小さな音を立てて床に落ちた。
突然の出来事に一瞬声が出なくなった。
「……え、な、何?」
恭の目を見ると、いつになく真剣な目。
「どしたの最近?」
脈が大きく波打った。
その一言で分かってしまった。
私が私の中だけに隠しておこうとした異変は恭に伝わってしまっているんだ。
私は恭の気持ちが分からないのに、恭はずるいよ。
すぐに気付いてしまうから。
でもね、今回ばかりは相談できない。
「何もなくはないけど、大したことじゃないの。心配しないで?」
無理矢理笑顔を作ってそう言うと、
恭は淋しそうに笑って手を離し、落ちた磁石を拾いプリントを貼った。
私がそっと肩の力を抜くと同時に、恭は背面黒板の方を向いたまま話しだした。
「俺の知り合いの女子にさ、たまに訳分かんない奴がいるんだ」
「サンキュ」
片手にプリント、もう片方を私の方に差し出している恭にそれを手渡そうとすると、
「っ!」
手首を掴まれた。
磁石が小さな音を立てて床に落ちた。
突然の出来事に一瞬声が出なくなった。
「……え、な、何?」
恭の目を見ると、いつになく真剣な目。
「どしたの最近?」
脈が大きく波打った。
その一言で分かってしまった。
私が私の中だけに隠しておこうとした異変は恭に伝わってしまっているんだ。
私は恭の気持ちが分からないのに、恭はずるいよ。
すぐに気付いてしまうから。
でもね、今回ばかりは相談できない。
「何もなくはないけど、大したことじゃないの。心配しないで?」
無理矢理笑顔を作ってそう言うと、
恭は淋しそうに笑って手を離し、落ちた磁石を拾いプリントを貼った。
私がそっと肩の力を抜くと同時に、恭は背面黒板の方を向いたまま話しだした。
「俺の知り合いの女子にさ、たまに訳分かんない奴がいるんだ」