+−CLASS ROOM×÷
「ところでさ。千花ちゃんと恭は付き合ってるの?」

「え!?」


稜ちゃんの突然すぎる質問に驚いた。


恭、稜ちゃんに言ってないんだ。



「あ、えと……」


昔からずっと、本当のお兄ちゃんみたいに慕ってきた稜ちゃん。


なんだか照れ臭い。



「うん。つい最近からなんだけど」


恥ずかしくて俯いた。


「そっかー。なんか嬉しいな」

「照れる……」

「ははっ。恭の奴、小さい頃から『千花ちゃんをお嫁さんにするー!』って言ってたもんね」

「そうなの?」

「え? 本人の前では言ってない? じゃあ、俺が言ったって秘密ね」


顔の前で人差し指を立てる稜ちゃんと笑い合った。






「聞こえてんぞ稜ちゃん」

「恭!」

「ただいま」


いつのまに帰ってきたのか、コンビニ袋を持った恭がリビングに入ってきた。


「ゴメン千花、待たせた?」

「ううん!大丈夫」


恭はもう1回謝ってから冷蔵庫に向かった。



「てか稜ちゃん、他に余計なこと言ってないよね!?」

「それは千花ちゃんと俺だけの秘密だよ」

「『知る権利』があるんだよ!!」

「そんな熱くなるなってー。あんまりしつこいと嫌われるよ?」


そう言って稜ちゃんはチラッと私を見た。


やっぱり稜ちゃんの方が上手だなって思った。


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