+−CLASS ROOM×÷
それから稜ちゃんの作った炒飯をご馳走になって、恭と2人公園に出かけた。

休日だったけれど、2組の親子が遊んでいるだけだった。


私たちは昔よく遊んだ丸太の遊具に座った。



「稜ちゃん久しぶりに会えて嬉しかったな」

「千花どれくらい会ってなかった?」

「2年くらいかな?」

「去年は俺ら受験で、稜ちゃんは就活と卒論とかいうやつで忙しかったからなぁ」


去年の今頃は受験生だったんだ。

識と3人、励まし合ったっけ。



「そうだ! 今日改めて思ったんだけどね」

「何?」

「恭と稜ちゃん似てるなーって」


恭が小さくガクッとなる。


「そりゃ今更だな」

「だから『改めて』だよ」

「はいよ」




でも、やっぱり全然違うって思ってるよ。


笑った顔とか、隣にいる時に感じる気持ちとか、この繋いだ手から伝わる体温とか……


私の心を温かくする要素を持っているのは



たった1人だけなんだから。


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