+−CLASS ROOM×÷
「クラスの奴らもお前と話してみたらいいのになぁ」


「は!?」


突然そんなことを言われて驚いてしまった。


「だーかーら! 『クラスの奴らも葵と話してみたらいいのに』って言ったの!」

「いや……それはわかったけど」


翔にそんなことを言われるのは初めてだった。


「葵だって話してみたら普通の奴なのにさ」

「急に何な訳!?」


翔はちょっと微笑んで、続けた。


「葵もさ、もっと自分に自信持っていいんじゃん?」


「え?」


私が翔の方を見ると、『さてと』と翔は立ち上がった。


「俺そろそろ戻るわ。俺って真面目だしッ」

「どこが?」

「ははッ」


そして翔は戻っていった。



翔が去った後、少し考えさせられた。


私には自信がないのだろうか?

自信を持ったらもっといろんな人と話せるようになるのだろうか?

でも昔から人と関わるのが苦手な事は事実。


考えても結論が出るはずもなかった。

ただ翔の言葉だけが頭を巡るだけだった。



『葵もさ、もっと自分に自身持っていいんじゃん?』


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