+−CLASS ROOM×÷
「何かごめんね?」

「…? 何が?」


宮城君に突然謝られたけど、何の事だか分からなかった。


「いきなりあんな手紙渡しちゃったし、今もこうやって一緒に帰ってもらってるし」


宮城君は申し訳なさそうに言った。


だけど……


「そんなっ……全然気にしてないよ?」


むしろ私が『プリンス』宮城君とこうして歩いている事が信じられなかった。


「ありがと」


宮城君は複雑そうに笑った。

私がお世辞で言ったと思ったのかも。



「でも自分で言うのもあれだけど、今時ラブレターとか無いよね」


ごめん宮城君。

否定は出来ない。


「俺さ、その、何て言うか、そういうの苦手で。



好きな子目の前にして告白……とか?」


そう言うと宮城君は少し上を向いて自分の頭を触った。


宮城君がこっちを見なくてよかった。

だって……


何か顔が熱いっ



また落ち着かない空気が流れて、今度は私から口を開いた。


「何で私なの?」

「え?」


普通こんな事聞かないのかな?


でも、私は特別可愛いわけでも無いし、勉強だって平均だし、クラスで目立つ訳でもない。

だから気になったんだ。


宮城君は少し困った顔で笑った。


そして……


「……一目惚れなんだ」


と呟いた。


少しひいてきていた顔の熱が、また上がりだす。


だからその後すぐに


「私すごく普通だよ!?」


私がこう言ったのはドキドキを隠すため。

まぁ本心でもあるけど。



「俺には可愛く見えるよ?」


いっぱいいっぱいになりつつある私に対して、宮城君は今度は余裕のある笑顔でそう言った。


てか、宮城君て実はすごくストレート?


……詐欺だよ。


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