+−CLASS ROOM×÷
整理には思ったよりも時間はかからなかったけど、終わった時教室には私1人だった。


職員室で先生にプリントの束を渡し、昇降口に向かった。


吹奏楽部の合奏が聞こえた。




「!!?」


私のクラスの靴箱のところに人が座っていて思わずビクッとした。


顔を下に向けて眠っているようだったが、誰だかすぐにわかった。



例の前田君だった。



――何でこんなとこで寝てるの!??


そう思いながら起こさないように静かに靴を履いた。



……が



「シカトすんな。」


前田君に気付かれてしまった。


「仕事終わった?」

「え!?」


前田君からの質問に驚いた。

仕事ってプリント整理のことだよね?


「だから……」

「あ、終わりました!」

「……そ」


そう言うと前田君は立ち上がった。

これって私を待ってたってこと?



「前田君、待っててくれたの?」

「……あぁ」


すごく驚いた。


「てか、仕事のこと一声くらいかけてくれて良かったんだけど。義理とか作んの嫌だし」


別に私は気にしてないんだけど……

そう思ったけど、その声が少し恐くて、


「ごめんなさい……」


謝るしか出来なかった。



「謝んなくていいから……



……1日、悪かった」


「え?」


< 64 / 104 >

この作品をシェア

pagetop