+−CLASS ROOM×÷
その日の休み時間、楽しそうに話している愛美と宮城君をぼぉーっと見つめる小柴を見た。



「告白しないの?」


いつも休み時間毎に話しかけてくる小柴が今日は話しかけてこないから、なんだか調子が狂っていた。


だから私から声をかけてみた。



「しないよ」

「あれ? 好きって認めんの?」

「だって高坂さん、もう何言ったって無駄でしょ?」


小柴は苦笑いを浮かべた。


小柴がずっとこの調子だったら……

静かだけど、それはそれで気持ち悪いと思った。


だから私はこんなことを言ってみた。



「あんたの好きな人には、王子様みたいな彼氏が出来た。優しくて格好いい。その子は幸せ。だからあんたも幸せなのよ」


自分で言っておきながら、無理矢理だと思った。


私は何でこんなことを言ってしまったのだろう。



「言ってること滅茶苦茶だよ」


小柴は相変わらず苦笑い。


「王子様みたいで、優しくて格好よかったら、俺勝ち目なくね?」

「ない」

「うわー。即答」


小柴は笑った。

苦笑いじゃなくて笑った。



「小柴は村人Cって感じ?」

「微妙にひどくない!?」



気づけば私も笑ってた。

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